アイシェの織った絨毯を見ていたら、織っているところを見たくなりました。願わくば、ちょっと織り体験もできないかしら?と。
断食の時期で、体もしんどいでしょうに、アイシェは見せてくれました。ミフリの野中幾美さんとの信頼関係よ!ありがとうございます。
が、あいにくアイシェの家の機からは、織り上がった絨毯を外したばかり。
そんなわけで、機に絨毯がかかっているという、近所のお家に連れていっていただきました。大工さんのお家です。
しばらく織ってなかったようで、緩んだ経糸をキュッと引き締めて、作業開始!
緯糸は玉にして、棒にぶらさげ、上にわたします。
糸は手紡ぎで、身近にある植物などで染められています。
糸玉がぶらさがっている様子も、作業してる二人の後ろ姿もなんて愛らしいのでしょう。
二人が履いているのは「シャルワール」と呼ばれるパンツ。
ゴムのズボンですが、履きやすくて可愛い。これにもキュンキュン。欲しい!
さあ、織ります。
というか、結びます。
2本の経糸を指でとって、間に緯糸を通し、ループを作り、引き下げます。そして緯糸をナイフで切ります。次々と1段分の緯糸を結んでいきます。次に平織りをし、キルキットという金属製の重い櫛のようなもので、緯糸をきっちり打ち込んでいきます。最後に絨毯用のハサミで長さを整えます。
私もちょこっと体験させてもらいました。
緯糸でループ作って、引き下げて、あれ、ナイフでなかなか切れない。ううう、糸が長くなる。これって無駄に糸を使っちゃう。
え?キルキット、重いんですけど。エイッ、エイッと打ち込む。
で、絨毯用のハサミで切る、と。
え?切れない? あれ、もっと経糸に押し付けるようにして、と言われつつも難しい。
でも、織ってみたい〜〜〜〜。 そしたら、来年の今頃、織りを教えてもいいよ、と。
40cm角くらいのものだったら、織れそう。
断食月が終わった頃、気候的にも5月はとても気持ちがいいし、糸紡ぎも、染めも体験させてもらえそう。お料理も教えてくれるって。
何人かで来るとよさそうです。
一緒に行きませんか?
5月20日あたりから。
かつて絨毯で有名だったこの村、一家に一台はあった木製の機も多くが廃棄され、
次世代の織り手はいないそう。たった15ー20年の間の出来事です。
村で草木染めをする機会も減ってきて、そのレシピもだんだん忘れ去られてしまっているそう。
アイシェが染料となる植物を見せてくれました。
身近にある植物で染めているんですね。ちなみに、下にいるのはカメです。のどかですね。
手仕事、世界中で同じようなことが起きていると思います。
少し前までは当たり前だったもの。
さみしく感じてしまいますが、生活のことを考えると、若い人たちに後を継げばいいじゃないとは言えないし。できるだけ記録を残しておけるといいのでしょうが。幾美さんが取材して、残していますが、そのメモも整理するの、大変そう。けれど、何もないと、再現できないし。
でも、単純にやってみたいという気持ちが強いんですけれど。とてもおもしろそう!
そして何より、村で過ごす時間が心地いい。
薫風の織り体験、きっと、最高!
あと、アイシェは絨毯織りだけでなく、刺繍も料理も得意!
vol.04につづく。