1月30日発売の『世界手芸紀行』(日本ヴォーグ社)に登場する、
手仕事をつなげる日本人女性、
4回目はnukuiroの渋谷聡子さんです。
渋谷さんは札幌でpistache(ピスターシュ)というセレクトショップを経営しながら、
2015年よりnukuiroというストールブランドを誕生させました。
渋谷さんと初めて出会ったのは集祭(あつまつり)というイベント。
ライターの小谷実千世さんにお声がけいただき、
Baharも出店させてもらったのですが、そこで、渋谷さんと出会い、
なんてセンスがいいんだろう、と強く印象に残りました。
その後、私が世界手芸紀行の連載担当になり、
インドについて書いてもらいたい、と依頼しました。
すると、以前から、インドのカシミール地方で作られている
パシュミナ、それに施されている刺繍が気になっているので、
ひとまず、リサーチをしたい、と。
それがよければそのカシミールの手仕事を紹介したい。
そして渋谷さんはリサーチに行き、そこで
いい手応えがあったので、夏にまた行くことになりました。
このとき、私も旅のお誘いをいただいたのですが、
手芸の本の制作まっさかりで、同行できず残念〜〜。
そして、訪れた先にこれが、まあ、素晴らしい手仕事があったわけです!
楽園とはこのこと?
ここからの行動力がすごい!
あっという間に、nukuiroというブランドを立ち上げ、
インド、スリナガルの手仕事を紹介していくことに。
もちろん、世界手芸紀行の原稿も書いていただき、
11月には、nukuiroのデビュー展もBaharで開催していただきました。
見事な手触りと、その刺繍の緻密さで、大好評でした!
渋谷さんの語り口はおだやかで、言葉選びも的確で、
聞き入ってしまいます。
現地の職人さんたちとも家族のようです。
くわしくは、世界手芸紀行のインタンビューに載っていますので、
ぜひ写真とともにお楽しみくださいませ。
そのnukuiroさんのソズニ刺繍とパシュミナ展、
Baharにて1月31日(火)より開催いたします。
古のマハラジャたちに愛された、繊細優美な手仕事を
たっぷりとご紹介します。
会期中は渋谷聡子さんが在廊し、
自分だけのとっておきをカスタマイズする
オリジナルオーダーも承ります。
極上のパシュミナを体感しに、そして
渋谷さんのお話を聞きにぜひいらしてくださいませ。
1月31日(火)〜2月4日(土)の5日間です。
13:00〜18:00
お待ちしています!
1月30日発売の『世界手芸紀行』(日本ヴォーグ社)に登場する、手仕事をつなげる日本人女性、
3回目はSLOW ARTの藤田 泉さんです。
現在、ポーランドのトルンに住んでいます。
とはいうものの、しょっちゅう会っているような気がします。
泉さんは年に数回、ポーランドと日本を行き来しています。
SLOW ARTさんを知ったのは、またまたチェドックザッカストアさんでの
ポーランドの切り絵とピサンキの展示でした。
そのあと、ヤノフ村の織物の展示をされ、その織物に私も魅了されました。
毛糸だまの連載「世界手芸紀行」を担当して
初めてお声がけしたのは藤田泉さんでした。
このあたたかくて、かわいく、力強い織物について、
もっと多くの人に知ってもらいたい、と思いました。
オファーをし、ご快諾をいただきました。
泉さんは素晴らしい行動力を持っています。
(なんだか毎回言ってますが)
海外で仕事をする、ということは、行動力と愛が大事ですね。
新刊の『中世の街と小さな村めぐりポーランドへ』(イカロス出版)も
ポーランド愛がつまっています。
また、ポーランドに暮している泉さんだからこその情報も満載です。
昨年夏、私もポーランドに行きました。
とてもいいところで、大好きになりました。
泉さんの暮らすトルンに最初に行ったのですが、世界遺産となっている旧市街が美しい!
中世の街並みが残り、歩いているだけで楽しい。
泉さんのご自宅にもうかがったのですが、料理の手際がとてもいいのです。
仕事ができる人は料理もうまいといいますが、まったくもってその通りです。
そのとき、パパッと作ってくださったのがこちら。
すごく美味しかったです。
「クルプニック」というスープを作ってくださいました。
パセリやセロリの根で出汁をとるのです。
市場への買い物も同行させてもらい、ときめきました。
その後、ヤノフ村に一緒に行ったのですが、ヤノフ村のアイドル、というか
みんなの娘、というかんじでした。
織り手さんたちが、泉さんが来るのを待っていて、会うととても楽しそう。
どのおうちに伺っても、美味しい手料理や手作りのお菓子でもてなしてくれるのです。
ご相伴にあずかりました。
ヤノフ村の織物も後継者不足が深刻で、と言っていたのですが、
最近では若い織り手も誕生しています。
それもこれも泉さんの熱心な活動の賜物。
ベルナルダさんの娘のグニエシュカさんも織りを始めました。
SLOW ARTさんのブログに詳しく書いてあります。
ベルナルダさんの創作やアグニエシュカさんのこと、日本の私たちとの関係などを特集した新聞記事。
今、泉さんとは、新しい企画が進行中です。
ヤノフ村のあとも、ポーランド東北部の村を訪ね、いろんな織りを見てきました。
それもあらためて形にしたいな、と思っています。
1月30日発売の『世界手芸紀行』(日本ヴォーグ社)に登場する、手仕事をつなげる日本人女性、
2回目はさる屋の櫻井陽子さんです。
ゲラッゲッツアの会場で撮った写真。
左から3番目が櫻井さんです。
櫻井さんには、メキシコ・オアハカの刺繍の記事を書いていただきました。
私がさる屋さんを知ったのは、チェドックザッカストアさんでの
オアハカの手仕事展でした。
鮮やかなオアハカの刺繍!
イスモ地方の刺繍のブローチで、ピンクとブルーを買って、飾ってました。
その後、櫻井さんは『アルテサニアがかわいい メキシコ・オアハカへ』という
オアハカの民芸品満載の本を出されます。
く〜〜〜〜かわいい!
ぜひとも、このかわいい手仕事について、毛糸だまに書いていただきたい!
実は櫻井さんと私、同じさる年生まれ。
ご出身も新潟県の魚沼市。私の父も魚沼生まれ。
勝手にご縁を感じつつ、オファーしたところ、快諾をいただきました。
そしてカバーにもオアハカのサン・アントニーノの刺繍ブラウスの
写真を使わせていただきました。
この素敵な刺繍は、サン・アントニーノのマリアさんが
刺繍したものです。
2015年にBaharで開催したオアハカの手仕事展で
サン・アントニーノの刺繍ブラウスは完売。
実際に見ると、ほんとに美しく、
着てみると気分がとても上がるのです。
櫻井さんはとても情熱的で、すぐやる課で、行動力にあふれています。
新婚旅行で訪れたメキシコの虜となり、そのあと何度も訪れます。
これが最後のメキシコの旅、と言って出かけた旅で、オアハカに出会ってしまった。
出会ったしまったんです!
もう、ここに絶対住みたい、というので、独身に戻って、移住したほど。
保険も解約して所持金70万で。
す、すごい!
「行かなかったことを誰かのせいにしたくない」と。
かっこいいです。
そういえば、やらない人、できない人って、やらない理由、できない理由を
見つけては言い訳しているような…。
私自身、はっと居住まいを正したわけです。
やる気があれば、あとはついてくる!
また、何かかから逃避して、海外に移住しても、
「日本に置いてきた問題は場所を変えても、また繰り返す」と。
す、するどい!
櫻井さんは、ノリもよいので、勢いで商売をやっていると
思ったら大間違い(間違えない?)。
芯があるんですね。ぶれない強さ!
民芸の仕事をしたいからオアハカに住む、というより、
オアハカを愛しているから住んで、
ここで生まれた民芸品を広める仕事をしている。
だからきっと情熱を維持できるんだろうな、と思います。
いろんなゴタゴタもきっとあると思うのですが、櫻井さんの
生き方、仕事の仕方を見ていると、愛なんだよな、とつくづく思います。
最近はプロレスにも熱中されています。
初めて観戦に行くんだ〜〜〜と聞いてから、
もう高飛び込みでプロレスの世界にどっぷり。
常に真剣です。
そんな櫻井さん、会いたいと思いませんか?
もちろん、オアハカに行き、さる屋さんのツアーに申し込めば、
櫻井さんがいろんな工房に案内してくれます。
でも、今年は日本で会えますよ。5〜6月に帰国予定です。
Baharでも展示販売会を行ってくれる予定です。
楽しみ〜〜〜〜〜
オアハカの話が聞けます!
見事なオアハカの手仕事と、素敵な櫻井さんに会いにぜひいらしてくださいね。
書籍『世界手芸紀行』で、記事を書いてくださった方々を紹介していきます。
1回目は、グアテマラの先住民女性たちと一緒に
もの作りをしているilo itooさんです。
グアテマラの「ウィピル」を紹介する記事を書いていただきました。
鳥の刺繍の緻密さ、鮮やかは圧巻です。
写真の右端にいるのが、デザイン、企画を担当する大久保綾さん。
左端にいるのが運営管理をする高崎真理子さん。
福岡生まれの同い年。
時期は違いますが、2人ともグアテマラに青年海外協力隊として
派遣された経験を持ちます。
2人ともお勤めの経験があり、転職して、今の「ilo itoo」に
なったわけですが、目標をきちんと立てて、
それに向かっていく姿勢が素晴らしいです。
目指すところに行く力がすごいです。
フリーランスで仕事をしている方に、今の仕事を始めたきっかけは?と
聞くと、たまたまだったり、めぐりあわせで、という答えが多いです。
私自身、電子部品メーカーで2年働き、そこを辞めたあとに
編集プロダクションに入り、のちにフリーランスの編集となりました。
けっこういきあたりばったりなんですね。
もちろん、好きなことはあり、そこに向かっていって、
今に至っているのですが、ilo itooさんと比べると、
なんとお粗末なこと!と思うのであります。
若いのに、立派!なんて言葉がつい出てきてしまいます。
学生時代に手にしたグアテマラの民族衣装の本。
これに衝撃を受けて、周りは就職活動に励む中、グアテマラに
旅立った大久保さん。
グアテマラに魅了され、青年海外協力隊に応募。
希望の赴任先はグアテマラしか書かなかったという、
グアテマラ一筋ぶりは熱いです。
そして、任期終了後、帰国してからすぐに、
現地の人たちと仕事を続けていくために行動します。
実行力って大事ですね。
そんな大久保さんの活動に加わったのが高崎さん。
同じ福岡県、一緒に活動しやすかったというのも大きい。
なんと、2人のお父様は、同じ大学で同じ学科だったそう。
なんて運命的な2人!
商品作りのすべてをグアテマラで行うのは、とても難しかったと思います。
作り方の指導をしなくてはいけないのですから。
でも、現地の女性たちに作ってもらうことで「仕事を作る」ことが
大事だとilo itooさんたちは言います。
20代で、しかも、会社や企業にも属さず、個人で
グアテマラに工房を作って、オリジナル商品を作り始める。
ああ、起業家!と思いながらお話をうかがいました。
くわしくは写真入りで『世界手芸紀行』のインタビューに載っていますので、
ぜひ、ご覧くださいませ。
世界各地の手仕事が好きで、みんぱくに住みたいと思っている私にとって、
毛糸だまの連載「世界手芸紀行」はとても楽しみな読み物でした。
この連載で、ミャンマーのアカ族の刺繍について書かせてもらったところ、
そのまま、連載の担当をさせていただくことになりました。
やったー!
これで、毎号、興味のある方にお声がけして、原稿を書いていただける!
世界の手仕事に触れていくことができる、と喜びました。
毛糸だまの青木久美子編集長に感謝しています。
そして、昨年夏、この連載の書籍化が決まりました。
こんなにおもしろい記事を書いていただいているのだから、
まとまればいいのにな〜と思っていたので、とても嬉しかったです。
書籍化にあたり、記事を書いてくださった方々がみなさまがとても素敵なので、
記事を再編集して掲載するだけでなく、インタビューページを盛り込みたいと
編集長に話したところ、快諾をいただきました。
また、連載にはなかったスウェーデンのスポーンコリについて、
スウェーデンのダーラナ地方に住んでいるSkantiqueの松崎由貴子さんにも
書き下ろしで記事を書いていただきました。
書籍の約半分は新規となりました。
そんなわけで、
大好きな国で仕事をしたい!
魅力的な手仕事を知ってほしい!
連載だけでは伝えきれなかった、現地の人たちと仕事をしている日本人女性たちの
熱い想いと信念がつまった一冊になりました。
彼女たちがどのようにして、この手仕事に出会い、
そしてそれを自分たちの仕事にしていったか、
そのストーリーを紹介します。
こんな生き方があったなんて!
驚きとともに、共感、刺激を得ること間違いなし。
手芸を「仕事」として考えている女性への
参考書としてもおすすめです。
すでに、Amazonさんなど、ネット書店でも
予約が始まっています。
もちろん、Baharでも販売します。
ボリュームたっぷりのオールカラー160ページ。
ぜひ、世界のいろんな手仕事を楽しんでください。
毛糸だま特別編集
『世界手芸紀行 アジア、アフリカ、ヨーロッパ、
中米の手仕事をつなげる日本人女性たち』
オールカラー160ページ 128×238mm
本体2000円+税 日本ヴォーグ社