春日記

トルコ 手仕事をめぐる旅 vol.03 |絨毯織り体験

アイシェの織った絨毯を見ていたら、織っているところを見たくなりました。願わくば、ちょっと織り体験もできないかしら?と。

断食の時期で、体もしんどいでしょうに、アイシェは見せてくれました。ミフリの野中幾美さんとの信頼関係よ!ありがとうございます。

が、あいにくアイシェの家の機からは、織り上がった絨毯を外したばかり。
そんなわけで、機に絨毯がかかっているという、近所のお家に連れていっていただきました。大工さんのお家です。

しばらく織ってなかったようで、緩んだ経糸をキュッと引き締めて、作業開始!

緯糸は玉にして、棒にぶらさげ、上にわたします。
糸は手紡ぎで、身近にある植物などで染められています。
糸玉がぶらさがっている様子も、作業してる二人の後ろ姿もなんて愛らしいのでしょう。
二人が履いているのは「シャルワール」と呼ばれるパンツ。
ゴムのズボンですが、履きやすくて可愛い。これにもキュンキュン。欲しい!

さあ、織ります。
というか、結びます。
2本の経糸を指でとって、間に緯糸を通し、ループを作り、引き下げます。そして緯糸をナイフで切ります。次々と1段分の緯糸を結んでいきます。次に平織りをし、キルキットという金属製の重い櫛のようなもので、緯糸をきっちり打ち込んでいきます。最後に絨毯用のハサミで長さを整えます。

私もちょこっと体験させてもらいました。

緯糸でループ作って、引き下げて、あれ、ナイフでなかなか切れない。ううう、糸が長くなる。これって無駄に糸を使っちゃう。
え?キルキット、重いんですけど。エイッ、エイッと打ち込む。

で、絨毯用のハサミで切る、と。
え?切れない? あれ、もっと経糸に押し付けるようにして、と言われつつも難しい。

でも、織ってみたい〜〜〜〜。 そしたら、来年の今頃、織りを教えてもいいよ、と。
40cm角くらいのものだったら、織れそう。

断食月が終わった頃、気候的にも5月はとても気持ちがいいし、糸紡ぎも、染めも体験させてもらえそう。お料理も教えてくれるって。

何人かで来るとよさそうです。
一緒に行きませんか?
5月20日あたりから。

かつて絨毯で有名だったこの村、一家に一台はあった木製の機も多くが廃棄され、
次世代の織り手はいないそう。たった15ー20年の間の出来事です。
村で草木染めをする機会も減ってきて、そのレシピもだんだん忘れ去られてしまっているそう。

アイシェが染料となる植物を見せてくれました。
身近にある植物で染めているんですね。ちなみに、下にいるのはカメです。のどかですね。

手仕事、世界中で同じようなことが起きていると思います。
少し前までは当たり前だったもの。

さみしく感じてしまいますが、生活のことを考えると、若い人たちに後を継げばいいじゃないとは言えないし。できるだけ記録を残しておけるといいのでしょうが。幾美さんが取材して、残していますが、そのメモも整理するの、大変そう。けれど、何もないと、再現できないし。

でも、単純にやってみたいという気持ちが強いんですけれど。とてもおもしろそう!

そして何より、村で過ごす時間が心地いい。
薫風の織り体験、きっと、最高!

あと、アイシェは絨毯織りだけでなく、刺繍も料理も得意!
vol.04につづく。

トルコ 手仕事をめぐる旅 vol.02 |絨毯職人、アイシェに会いに

アンタルヤ2日目の5月28日(月)、
野中幾美さんと15年以上のおつきあいとなる、アイシェさんに会いに行きました。

彼女が暮らす村は、アンタルヤから約40kmほど北にあるドシェメアルトゥという地区のコワンルック村。
車で約1時間。ガタガタ道を車に揺られて、ではなく、舗装道路で快適。
トルコの道路はどんどん整備されて、車での移動もずいぶんラクになったそう。

ここでは「ドシェメアルトゥ絨毯」という伝統の絨毯が作られてきたのですが、アイシェはこの絨毯を織ることができる最後の織り手の一人。
今では織り手は3人ほどしかいないそう。

見たい!
会いたい!

連れていっていただきました。

アイシェです!

入るなり、圧巻の絨毯!あらゆるところに敷き詰められています。そして、足で踏んだ時の感触がキュキュとしてとても気持ちいい。ぜ〜んぶ、アイシェが織ったもの。






風通しのいい家で、絨毯やアイシェのお嫁入り道具の刺繍ものを見せていただきました。

アイシェは絨毯織りの名手ですが、ここしばらくは体調や家のことなどもなり、織っていなかったそう。
久しぶりに織った絨毯ができあがったと聞き、その絨毯を織機から外す日に、
野中社長はアイシェの家に行ったそう。その時の写真。

私がアイシェの家に行ったのは、そのひと月後。
まだ、ベランダの手すりにかけてありました!

見せていただきました。ちなみにここのベランダ、と〜〜〜〜っても気持ちいです。
風がとても心地よかった。お昼寝したい。

糸を自らの手で紡ぎ、天然染料で染め、織る。
なんとも手間がかかります。
できあがったものはやはり美しい!
まだうぶ毛が残る新しい絨毯。

これは売ってくれるものなのかな?
こんなに時間をかけて作ったものだし。
でも、聞いてみたらOKとのこと。
わ、とても嬉しい!
そんなわけで、久しぶりに織った絨毯は我が家に。このコです!

アイシェのことを思い出しながら、この絨毯と暮らします。

でね、ちょっとね、織ってみたくなりましたよ、絨毯。
vol.03につづく。

トルコ 手仕事をめぐる旅 vol.01 |ミフリ魔窟へ

2019年5月下旬から6月上旬にかけて、トルコへ行ってきました。

今や、インターネットがどこでも使えるので、PCとiPadがあれば大丈夫!
撮影などもない時期だったので、トルコの手仕事の現在を早く見ておきたくて!

私が見せてもらった手仕事をめぐる状況や、こんな素敵なものがあるよ、
というのをしばらくつづってまいります。

いつもお世話になっている、ミフリの野中幾美さんを訪ねました。

その野中幾美さんの日本でのイベントが豪華3本だてで、この夏開催です!

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九州・鹿児島のGood day加治屋店 2Fで「ちいさなトルコバザール」が7/13-17
世田谷の生活工房ギャラリー3Fで「トルコ・トカットの木版バスク展」が7/20-9/1
浅草のかまわぬ2Fで「トルコの手仕事展」7/26-8/19
詳細は、リンクをご覧くださいませ。
興味深いお話も聞ける大チャンスですよ!

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5月26日(日)の夜に成田を出発。
12時間のフライトを経てイスタンブールの空港へ。
新しくできたばかりで、ピカピカ。
入国審査を終え、エスカレーターを上がると、スタバです。
たぶん、このあたりが空港で待ち合わせをするにはいいのではないでしょうか?

5月27日(月)早朝、国内線に乗り換えてアンタルヤ。
朝7時に着いて空港からタクシーで、市内のホテル(ラマダプラザアンタルヤ)へ。
ご参考までに、タクシーは65TLでした。
国内線の到着時間が朝早いので、アーリーチェックインを頼んでおくといいです。

はあ、これが地中海というものか!青いな!

プライベートビーチやプールもある大きなリゾートホテルで、とても快適です。

シャワーも浴び、さっぱりしたところで、野中社長がお迎えに来てくださいました。

そして、ついにミフリショップへ!
一緒にいらっしゃるのは義弟さんです。ミフリ社員さん。(私もミフリ社員になりたい)

中に入ると、絨毯、キリムがわんさか!魔窟です!
(この他にもイーネオヤがたくさんあるんですよ)

すごい、すごいけど、もう、どうしたらいいの????

予告しちゃうとですね、10/10〜13、17〜19に、
トルコの絨毯、キリム展を開催予定。
今回はその企画展のためのセレクトをするためにうかがったのですが、
こ、こんなにあると、どこから????

ざっと見せてもらい、アンタルヤには5日滞在するので、その間に
写真を撮り、候補をネットにアップして、これが見たいというご要望があったものを
中心に日本に送ろう、ということに。
なんせ重量もあるので送料がかかり、関税というものもかかるのです〜。
なるべく経費を抑えたほうが、商品価格も安くできるので。
この写真は、今後、アップしていきますので、みなさまのお声をぜひお聞かせくださいませ!

そんなこんなで、この日だけでも、かなりな絨毯、キリムを見せてもらい、
おなかいっぱい。

で、汗もかいたし、ビールを飲みに行きましょう、と。わ〜い、待ってました!
イスラム圏ですが、アンタルヤは観光地なので、わりかし、ビールも飲めるそう(ホッ)

野中社長がアンタルヤの旧市街(カレイチ)を案内してくださいました。
港が近く、美しくて、かわいい街並みです。


空の青さと、ブーゲンビリアのピンクよ!
この旅で大活躍したプティット・アフリケーヌさんのアフリカンプリントのパンツとバッグとの相性もよし😁

こんなところで暮らして、お仕事しているなんて、うらやましい。
地中海をのぞむレストランで、メニューを選ぶ、女社長!
かっきい!風格がありますね。


キョフテをいただきました。
お、おいしい♡


この旅で、どれだけ飲んだかわからないほど、飲んだエフェスビール。
ピルスナーで、ぴりりとしたモルトとホップの香りが楽しめて、もう大好き!

明日は、「アイシェの村に行きましょう」と野中社長。
ずっと会いたかった、絨毯を織っているアイシェのところへ行けると聞き、
うれしい〜〜〜〜〜!
そんなわけで、アンタルヤの初日を満喫しました。

では、vol.02に続きます。

夏の装い展 出店者ご紹介 ilo itooさん

晴れた!夏の装い展、2日目です。

メキシコ オアハカの刺繍ブラウスと、
ilo itooさんのグアテマラのコルテスカートは相性バツグン!
なんせ、お隣の国。
サンアントニーノの刺繍ブラウスとマルチ絣が可愛い!
私はトゥクステとインディゴ刺繍をあわせて着ています。
そして、KANNOTEXTILE さんの下駄とも相性よし!

ilo itooさんは学生時代にグアテマラの
民族衣装を紹介する本に出会い、グアテマラを訪れました。
そこに暮らす人たち、色彩あふれる世界に魅了され、
やがて、グアテマラの女性たちと仕事をする決心をします。
そうやって誕生したのがilo itooというブランドです。
デザインはilo itooさん、制作はすべて、現地女性が行っています。

コルテスカートはグアテマラに暮らす女性が身につける民族衣装。
こちらを現代のライフスタイルにあわせて生まれ変わらせています。
なので、とっても履きやすい。
しかも、ほっそり見える効果あり。
フレアのラインが美しく、きちんと感もあるのがうれしいところ。

アネモネ、コーヒーの花、ダリアの刺繍入りもあり。
そう、グアテマラといえばコーヒー、コーヒーといえば清澄白河!
まさにこの街にぴったりの刺繍。

コーヒー好きの方、いかがでしょ?

いろいろまとってみてくださいね!
お待ちしています!

夏の装い展
6月21日(木) 〜23日(土) 28日(木)〜30日(土)
7日 5日(木)〜 7日(土)
open /13:00 〜 18:00

Bahar(清澄白河)
〒135-0023 東京都江東区平野1-9-7
fukadaso 203  tel:03-3630-3670
大江戸線・半蔵門線 清澄白河駅A3出口より徒歩5分
Googleマップで「Bahar」と入力していただくと、
出てきます。

布博 Week 1「糸とボタンに恋をする週末」に出展します

7月21日(金)〜23日(日)に町田パリオにて開催される
布博 1週目「糸とボタンに恋をする週末」にBahar、出展いたします。

布博のページでBaharを紹介いただいています。

新作の刺しゅうの飾り布セット、登場です!

2種類あります。
食器棚に飾ったり、窓辺に飾ったり、
スカートの裾に縫いつけてもかわいいです♡ 
この飾り布が大好きで、ハンガリーで何枚も買いました。

こんなふうに。写真は以前、ハンガリーの蚤の市で購入したもの。
ワンピースの下にはいたりしています。

そして、ずっと作りたいと思っていた、
刺しゅうブラウスのキットも作りました!

黒地に白の刺しゅう、白地に青系の刺しゅうの2パターンです。

ブラウスは自作しました。
綿麻の生地を水通ししてから仕立てています。
家庭用のミシンで縫っているので、素朴な仕上がりです。
ご容赦を!ロックミシンがないので、袋縫い。
そして、襟ぐりは全て手でまつり縫い。
このハンドメイド感!布博で実物を展示しているので、
ご覧くださいませ。
暑い夏にも爽やかに着れる素材です。

刺しゅうは朝から晩までやれば、
早い人なら一日でできるかと思います。

この夏のお出かけにぜひ!

Baharのブースでは、リアル「世界手芸紀行」も展開します。
nukuiroさんによるインドのサリーリボン、カンタ、
さる屋さんによるメキシコの刺しゅうブラウスや刺しゅう糸、図案入りクロス、
Hymaさんによるラオスの手刺しゅうポーチにバッグ、
プティット・アフリケーヌさんによるアフリカンプリントのバッグにハギレセット、
ilo itooさんによる
グアテマラの刺しゅうワッペン、
SLOW ARTさんによるポーランドのヤノフ村の織物が並びますよ〜〜〜。

もりだくさんの展開です!

ぜひ、お立ち寄りくださいませ♡

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